世界的な高齢化への流れで、日本が果たせる役割は大きい

社会の高齢化は主に日本の問題として注目されていましたが、

中国やアジア諸国の他に、ヨーロッパなど様々な国でも高齢化が進んでいるため、

今や社会の高齢化が世界的な問題となりつつあります。

2020年には日本、イタリア、ドイツの3ヶ国が超高齢化社会に

突入すると考えられており、アジア諸国など開発途上とされている国々も、

将来的には高齢化社会になっていくとみられています。

その中でも日本はすでに超高齢社会ランキングの世界第1位となっており、

今後もトップをキープし続けると予想されています。

このような世界的な高齢化がなぜ注目されてきているかというと、

医療や介護の環境、年金制度などがこのままでは破綻する恐れがあり、

時代の流れに対応できるように整備しなければならない課題が

いくつもあるからです。

しかし、このような課題がありながら、

各国はまだ十分に対応できていないどころか、

高齢化という問題自体が初めてのものであるため、

訪問看護などのノウハウが蓄積されていない国も多いようです。

このような状況を打開する鍵を握っているのが、日本ではないかと考えられます。

なぜなら、先ほども述べたように日本は超高齢社会ランキングの

世界第1位をキープしていることから、

世界的なトレンドである高齢化の最先端を走っているということになるからです。

日本はいまだに年金問題など様々な課題を抱えてはいますが、

それでもこれから高齢化を迎える国よりは、クリアしてきた課題は多く、

その分ノウハウも多く蓄積されているはずです。

訪問看護も需要が高まってきた当初はゼロからのスタートだったので、

ご利用者様一人ひとりに合わせた看護活動を手探りで続けてきました。

ご利用者様に寄りそう看護ができるように、

人員の増加や看護師が働く環境の改善などを継続して行い、

ノウハウを蓄積してきました。

この蓄積してきた訪問看護のノウハウが、

世界各国の人達に必要とされる日が来る可能性を感じています。

これからの世の中は、グローバル化がますます進んでいくと予測されています。

その流れを受けて、訪問看護業界もグローバル化していくのは

自然なことかもしれません。

そのため、訪問看護の経験をいくらか積んだ方であれば、

日本に研修に来た外国の方に訪問看護のノウハウを

教えることになる可能性は十分ありますし、

もしかしたら講師として海外に行く機会もあるかもしれません。

以上のことから、すでに訪問看護師として頑張っている方はもちろん、

これから看護業界に入る予定の方も、

世界的に訪問看護のニーズが高まってくる可能性があることを心に留めて、

向上心を持って看護活動に励んで欲しいと思います。

実は高齢化への対応が世界的トップレベルで進んでいる日本

世界的な高齢化の流れによって、

それに伴う医療や年金などの制度見直しに関する課題が明るみに出てきており、

多くの国でどう解決したらいいのか注目が集まり始めています。

高齢化に関する課題は深刻ではありますが、物事には二面性というものがあり、

違う視点からスポットを当てれば解決策が見つかったり、

より良い方向に転換するチャンスにも成り得ると思います。

そうすることによって高齢化への対応を進めて、

シニアビジネスを成長させてきたのが日本であり、

その対応内容は世界的にもかなり進んでいると考えていいと思います。

シニアビジネスといっても、その内容は多岐に渡っています。

また、対象が高齢者というくくりにはなっていますが、

それはあくまでも年齢でザックリと区別しただけであり、

健康をキープしていてアクティブに活動している高齢の方もいれば、

経済やその他の問題を抱えている高齢の方、

年齢は特に関係なく定期的な医療や看護などを必要とする方など、

多様なライフスタイルがあることも考慮されてきています。

以上のことを考慮したうえで、日本では大きく分けて住宅、

サービス、飲食の3つの分野において高齢化への対応が進んでいます。

①住宅
有料老人ホームや養護老人ホームなどといった介護施設が住宅分野にあたり、要介護の分類に合わせて種類も幅広くなっているようです。

②サービス
家事代行や訪問医療マッサージなどがサービス分野にあたります。訪問看護もこの分野に含まれています。高齢で看護活動などが必要とはいっても外出したいなどのニーズは高いようで、外出支援や介護旅行なども注目されているようです。

③飲食
高齢者のみの世帯の増加などにより、品数を多く作ることが難しいなど、食に関する不安も増加傾向にあります。このため、バランスよく栄養がとれるように配慮されたお弁当などの宅配サービスがあります。さらに、あまり固いものや固形物が食べられない方でも食事を楽しめるように、調理技術も進歩してきています。

以上のように、日本の高齢化への対応は多岐に渡って進んでおり、

今後は世界的なニーズの高まりとともに、

日本が培ってきた技術や事業が世界に広がっていく可能性があります。

これは訪問看護にもいえることで、

外国人労働者や海外からの研修生の指導にあたる日が来るかもしれません。

今、訪問看護師として活躍している方はもちろん、

これから訪問看護に挑戦しようという方も、

世界のトップとして様々な国に貢献できる可能性を

持っていることを知ってもらいたいと思います。

訪問看護師に求められることの「難しさ」と「やりがい」

訪問看護師の需要が高まってきている理由として、

高齢者人口の増加があるのはほとんどの方が想像できることだと思います。

しかし、訪問看護師の需要の高まりが、

高齢者人口によるものだけではない可能性があることをご存知でしょうか?

医療技術の進歩により、体の負担を軽減するために輸血は避けて、

できるだけ出血しないように手術を行ったり、

早期回復を促すために術後の早い時期から歩くことを進めるなど、

以前に比べて入院患者への対応が変わってきています。

その変化の1 つとして在院日数が短縮されている傾向があり、

医療依存度が比較的高い患者さんでも容態が

安定すると在宅医療に移行するケースもあります。

以上のことも、ご利用者様やそのご家族に寄りそうサービスである訪問看護が

求められる場が増えてきている要因になっていると推測できます。

そのため、ご利用者様の医療依存度の高さに差はあるものの、

訪問看護師には経過観察や看護措置だけでなく、

ご利用者様の担当医との連携やリハビリなどのサポートも求められます。

さらに、医療依存度が比較的高いご利用者様の場合は

急に容態が替わる可能性があるため、

より注意深く経過観察を行い、ご利用者様のほんの少しの

変化にもいち早く気付くことが重要になります。

従って、訪問看護師はご利用者様一人ひとりに合わせて

適切な看護措置をとることができるように、

豊富な知識や経験の他に、ご利用者様の主治医など多様な人との連携が

スムーズにとることができる管理能力も必要になります。

このように求められることが多いうえに、看護設備が医療機関に比べて

充実しているわけではないご利用者様のご自宅が職場であることも、

訪問看護の難しさといえます。

それゆえに大変なことは多いとは思いますが、

訪問看護だからこそできることもたくさんあります。

ご利用者様一人ひとりの気持ちに寄りそうことと、ご家族の協力も得ることで、

よりご利用者様が望む環境で看護活動を行うことができます。

そして、ご家族のメンタルケアなどサポートを行っていくことを通して、

より信頼関係を強めていくことができます。

看護を必要としている方やそのご家族に寄りそって、

心の支えにもなるということは、

医療機関勤務では得られないやりがいだと思います。

さらに、若い方であれば訪問看護を通して得られる知識や経験を、

今後さらに需要が高まると考えられる看護業界での

キャリアアップにいかしていくもできます。

訪問看護ステーションおとのいは、求められるものが多い訪問看護師が、

よりやりがいを感じながら充実した環境で活動していけるように、

これからも働きやすい体制を整えていきたいと思います。

訪問看護で大切なのは、人間対人間の関係であることを忘れないことだと思います

10 年ほど前までは、看護は女性の仕事という意識が

比較的強くあったと思いますが、

それも少しずつ変化してきており、男性看護師の数が徐々に増えてきています。

男性看護師が増えてきている背景には、

看護には力が必要な仕事があるという他に、

ご利用者様の中にはそれぞれの理由で男性の方が

気を張らずにケアしてもらえるという方がおり、

こういったニーズに応えるために看護師の性別差を

なくしていくことに力を入れているという側面があります。

訪問看護ステーションおとのいとしては、

ご利用者様のニーズに応えるために看護師の数の性別差を少なくしていくなど、

体制を整えていくことも大切なことだと考えていますが、

最も重要なのは、看護師の性別に関係なく、

ご利用者様の「日常」を尊重することだと考えています。

訪問看護師の職場はご利用者様のご自宅であるため、

ご利用者様の気持ちや生活習慣などを尊重しなければいけません。

そのため、同性だからそこまで気を遣わずに看護しても

大丈夫ということにはなりません。

例えば、座薬を入れる時に同性だから大丈夫だろうと

特に配慮せずに投薬してしまい、

その時はご利用者様は何も言わなかったものの、

打ち解けてから「本当は、あの時はすごく嫌だった」と、

傷ついたことを後から打ち明けられて気付かされたというケースもあります。

訪問看護は、ご利用者様の「日常」という本来なら

入り込むことができない領域に踏み込んでいく仕事です。

自分のプライベートなどを全て打ち明けるわけではない訪問看護師に、

ご利用者様は自分自身をさらけ出す必要がある心理的なストレスが

あることをよく配慮しなければいけないと思います。

男性看護師を増やしていきたいというのはご利用者様の

選択の余地を残すためであり、

ご利用者様の気持ちに十分配慮して寄りそうというのは、

看護師の性別関係なく常に大切にしてほしいと思います。

ご利用者様の日常を尊重するというのは、

言葉では難しそうに聞こえるかもしれませんが、

あまり構えて対応する必要はありません。

ご利用者様が「1 日1 回は散歩に行きたい」や、

「最低1時間は趣味に打ち込む時間が欲しい」など、

日常生活へのこだわりや習慣があれば、それを尊重して一緒に近所を散歩したり、

庭仕事や何か趣味を楽しんでいる時は見守るなど、

ご利用者様の「やりたい」という気持ちに寄りそうということです。

訪問看護師とご利用者様は看護する側と看護される側という

特殊な関係ではありますが、

それ以前に、人間対人間の関係であることを忘れずに

接することが何よりも大切なことだと思います。

男性看護師の需要が、今後ますます高まると感じています

少し前まで看護は女性の仕事というイメージが強かったためか、

男性看護師の数はとても少ない状態でした。

しかし、厚生労働省によると、男性看護師の数は10 年ほど前では

約1 万4000 人でしたが、

2012 年には約6 万3000 人と4 倍以上の人数にまで増加しています。

それでも101 万人以上いる看護師の中で男性看護師が占める割合は

6% 程度しかなく、まだまだ少数派といえる存在です。

このように、まだまだ女性が多数を占める看護業界ですが、

男性看護師の需要は今後ますます増えていく可能性があります。

それは、看護には力仕事もあるという点で男性が

求められるという背景もありますが、それだけではありません。

男性によるケアを求めている場合もあり、

そのようなニーズに十分応えきれていないことが

男性看護師の需要拡大の要因と考えています。

男性によるケアを求めるというのはどういったことかというと、

例えば思春期や若い年齢の男性の中には、

女性看護師にケアをしてもらったり相談することを恥ずかしいと思ったり、

抵抗を感じる方もいます。

特に、若い男性のご利用者様であれば、

同性の看護師の方が話しやすくより親しい存在になり、

心を開いて雑談できるなど、話題が合いやすくて日々の訪問看護が

より楽しくなるという側面があります。

また、訪問看護はご利用者様の自宅でのケアとなるため、

ご利用者様にとって最も安心できる環境を尊重しなければいけません。

それにもかかわらず、女性看護師が同性だからと

特に配慮をしなかったためにご利用者様に不快な思いをさせてしまい、

異性である男性看護師を望まれるケースもあります。

以上のように、男性看護師が求められる理由は様々です。

求められる理由が何であれ、訪問看護はご利用者様に寄り添う仕事であるため、

よりご利用者様との心の距離が近くなり、

リラックスしてもらえるように心掛けることが大切だと思います。

そのためにも、訪問看護ステーションおとのいは

看護師の性別差をもっと少なくしていきたいと思います。

また、男性看護師がまだまだ少ない理由の1つとして、

キャリアアップが想像しにくいということもあるようです。

看護業界は女性の割合が非常に高いため、

医療機関などの管理職も女性であることが多いです。

このため、男性管理職のロールモデルが非常に少ないことが

キャリアアップを考えにくい要因になっているようです。

しかし、男性看護師の需要が高まっていくに伴って、

働く環境も少しずつ変化していっていると思います。

そして、男性看護師がキャリアアップしていきやすい環境やロールモデルが

出来上がっていく可能性も十分あると考えられます。

このことから、男性の方には看護業界に対してもっと積極的に

興味を持っていただきたいと思っています。