2025年問題解決に向けた訪問看護の指針

日本の人口において5人に1人が75歳以上、

3人に1人が65歳以上という超高齢社会に突入するといわれている

2025年問題に向けて、在宅医療を充実させる鍵とされている訪問看護師の

人員確保が重要視されています。

また、訪問看護師の人手不足を解消するとともに、

地域ごとに訪問看護ステーションの数にばらつきがあることや、

看護の度合いも軽度から重度まであり、

看護内容も多様化すると共に複雑化してきていることに

対応することも求められています。

その中でも特に重要視されているのは、日本全国のどこででも、

質の高い訪問看護サービスが365日24時間いつでも

届けられる仕組みを作ることです。

そのために2025年に備えて訪問看護業界が目指す方向の1つとして、

多機能化と大規模化が掲げられています。

また、今までのように病院などの施設に頼り切るのではなく

地域レベルで在宅医療を支えられるように、訪問看護や定期巡回だけでなく、

日帰りサービスや宿泊サービスなどといったサービスの充実も

含めて看護サービス業界が発展していくことが必要とされています。

このように、看護業界は人手の確保と共に求められることも非常に多いため、

公益社団法人日本看護協会と公益財団法人日本訪問看護財団と

一般社団法人全国訪問看護事業協会の3つの組織が協力して、

「訪問看護アクションプラン2025」という、

2025年問題解決に向けた訪問看護の行動指針を発表しました。

「訪問看護アクションプラン2025」には訪問看護の事業者や事業所、

その職員達が取り組むべき内容をまとめており、

今後の医療や社会の動向に沿って具体的に内をすべきなのかを

示している重要な指針です。

実践するべきアクションとして、

大きく分けて以下の4つの項目が挙げられています。

①訪問看護の量的拡大
住み慣れた地域と自宅で安心して健やかな日常生活を送れるように、日本全国のどこでも必要な訪問看護をいつでも利用できる体制を整えることを目指す。

②訪問看護の機能拡大
訪問看護提供の場を自宅だけでなく、介護施設などの生活の場にも拡大すると共に、様々な理由により看護の必要性が高いご利用者様への対応や、ご利用者様とご家族の相談対応など、訪問看護の機能の拡大を目指す。

③訪問看護の質向上
健康維持や回復を目指すとともに、健やかな生活や穏やかな人生の最終段階を支える視点を持つ訪問看護師の育成を強化することを目指す。
またそれとともに、医師や理学療法士など多職種の方と協力し、チームの一員として役割を発揮できる力も強化する。

④地域包括ケアへの対応
地域の住民や行政、他事業所や多職種などと協力して、それぞれの地域に適した地域包括ケアシステムの構築に取り組む。

以上の4つの項目を実現するために、

訪問看護業界は今後ますます変化を求められると思います。

既に訪問看護師として働いている方はもちろん、

これから訪問看護師を目指す方も、

訪問看護業界はニーズに合わせて変化していく

業界だということを心に留めておいて欲しいと思います。

2025年問題とは?高まる在宅看護の需要

現在、日本では2025年問題への対応が課題となっており、

厚生労働省における医療と介護にかかるお金である診療報酬と介護報酬の

同時改定の議論でも、この問題が注目されたことをご存知でしょうか?

日本にとって見過ごすことのできない2025年問題とは一体何なのか、

ご説明したいと思います。

日本の人口は2004年から減少傾向に転じており、

若年層を中心に全体的に人口が減っているのですが、

実は75歳以上の人口は増加傾向にあります。

そして、約650万人いるといわれている団塊の世代が

2025年に全員75歳を超えることになります。

それによって、75歳以上の人口だけで約2200万人となり、

国民の5人に1人が75歳以上、3人に1人が65歳以上という超高齢社会に

なると予測されています。

75歳以上の人口が増加した時に問題となるのが、社会保障費の増加です。

例えば、1人当たりの年間医療費をみてみると、

64歳までは1年で平均18万の医療費がかかりますが、

75歳以上となるとその約5倍の90万円の医療費がかかるといわれています。

さらに介護費においては、65歳から74歳までは1年で約5万円ですが、

75歳以上はその約9倍ともいわれています。

以上のことから、2025年の社会保障給付費は全体で

148兆円は必要となると推計されており、

これは2015年度の118兆円の1.3倍ほどになります。

ここでさらに問題なのは、その膨れ上がった社会保障費を

どうやってまかなうかということです。

社会保障費は保険料と税金で成立していますが、

税金は消費税増税が2回連続で延期されることで苦しい状態であることに加え、

働き盛りである若年層が減少していることから、

税金による負担でどこまで社会保障を維持できるかも疑問です。

また、社会保障費の財源を確保できたとしても、

増加していく高齢者に対応できるほどの人手と設備の確保が必要となります。

しかし、病院や施設だけで医療や介護を行うことには限界があり、

人手不足が大きな課題となっているのが現状です。

以上のことから、2025年問題とは75歳以上の人口が

増加する超高齢社会に向けて、膨れ上がる社会保障費の財源の確保と、

医療や看護活動が行き渡るだけの人手を確保することが

大きな課題になっているということです。

その問題を受けて注目が集まっているのが、訪問看護です。

高齢化が進むと慢性的な疾患や持病を持っている人が増加する傾向があり、

病院内だけで治療を行って回復を目指すということが難しくなります。

そのため、病院内で完結するスタイルから、

自宅で生活しながら病気を治療する、

または共存していくというスタイルに転向することが重要視されています。

このことから、訪問看護業界の需要が今後ますます伸びていくと

予想されているからこそ、

訪問看護ステーションは人材の育成や働く環境を

整えておくことが非常に重要だと考えています。

超高齢化社会に向けて、訪問看護にできること

国民の5人に1人が75歳以上、3人に1人が65歳以上という

超高齢社会に突入する2025年に備えて、

医療の現場をはじめとして訪問看護業界も

体制や環境の整備を進めることを求められています。

そのため、公益社団法人日本看護協会や公益財団法人日本訪問看護財団、

一般社団法人全国訪問看護事業協会といった組織が協力して、

2025年に向けて具体的に何をすればいいのかを示した

「訪問看護アクションプラン2025」を発表しました。

行動指針の内容は簡単にまとめると以下のようになっています。

(行動指針① 訪問看護の量的拡大)
・全国のどこでも365日24時間いつでも必要な看護サービスが提供できるように、全国の訪問看護事業所を整備する
・訪問看護師を安定的に、十分な人数を確保すること
・医療機関と訪問看護ステーションそれぞれに勤める看護師の相互育成

(行動指針② 訪問看護の機能拡大)
・訪問看護の提供の場を自宅だけでなく、介護施設などの生活の場に拡大する
・多様化するご利用者様のニーズに合わせた訪問看護事業所の機能の拡大
・訪問、通い、泊まりができる看護小規模多機能型居宅介護を、全市町村に1か所以上設置する
・訪問看護業務の効率化による訪問看護に専念できる体制づくり

(行動指針③ 訪問看護の質の向上)
・健康の維持や回復をサポートすると共に、日常生活や穏やかな人生の最終段階を支える視点も持つ看護師の育成の強化
・担当医師や医学療法士などの多職種の方と協働し、看護の専門性を十分に発揮できる力を強化
・管理者研修などを充実させ、訪問看護ステーション管理者のマネジメント力を向上させる
・看護学生やこれから訪問看護師を目指す方に向けた訪問看護の基礎教育と、教育機関との協力体制の強化

(行動指針④ 地域包括ケアへの対応)
・国民や地域住民に向けて訪問看護の機能や役割などを情報発信し、理解を得られるように努める
・地域住民のニーズに応じたケアシステムやネットワークづくりなど、地域包括型のケアシステムの構築
・訪問看護ステーションの機能を、多様なニーズに応じて地域での生活を包括的に支援できるように強化
・住民のニーズや必要なアクションプラン実現などのために、訪問看護の立場から政策提言を行う

以上に挙げた項目が、2025年の超高齢社会突入に向けて

訪問看護業界が実現していく必要のある事項となります。

項目数が多いことと、行動指針の一つひとつが

実現をするために時間と労力を必要とする内容であるため、

実現するとはいっても少しずつの対応になると考えられます。

それでもやる必要があるというのは重々承知なので、

着実に対応していきたいと考えています。

また、訪問看護業界に求められていることが増えているということは、

その分訪問看護師の負担が増えることにも繋がります。

そのため、人手を安定的に確保できる環境にするためにも、

訪問看護師にとって働きやすく、

長く続けられる環境も整えなければならないと感じています。

訪問看護を含むシニアビジネスが成長産業として注目される時代

国連が日本や中国など一部の国だけでなく、

世界的に高齢化が進んでいるという声明を出したことで

世界中が高齢化問題についての意識を高めており、

他国よりも高齢化が進んでいる日本に世界中が注目し始めています。

それは、世界的な高齢化は人類史上初の出来事であり、前人未到であるからです。

今後、多くの国が年金や医療補助などといった高齢者福祉制度を

整えていく必要があります。

そのためにはいくつか課題があり、高齢化に対応するための制度の構築や整備、

実行に移すには膨大な資金が必要となり、

発展途上国にとっては特に大きな負担となるなど、

解決する必要がある問題が多く浮上してきています。

こういった状況の中で、世界に先駆けて超高齢化社会に

突入しようとしている日本が、

年金や医療補助といった諸々の課題をどうやって解決していくのか、

世界中が動向を見守っている状態ともいえます。

その流れを受けて日本のシニアビジネスは拡大し、

海外進出の動きが出始めるなどといった変化が起きています。

実際に、日本政府はカンボジア国内に、

現地のカンボジア人看護師を対象とした訓練センターを

新しくオープンさせると発表しています。

また、高齢化の波が押し寄せている国の1つであるミャンマーでは

介護サービスの需要が高まっているため、

日本の介護企業が同国での介護市場獲得をしようと海外進出した事例があります。

さらに中国でも、住居型介護サービス事業が

北京市内で始まるなどの変化が起こっているようです。

この変化の波は、いずれ訪問看護業界に訪れるかもしれないと

考えることは当然のことですし、

実際に海外に進出していくのは時間の問題かもしれません。

今は日本を含め世界のグローバル化が進んでいるため、

これから社会に出る新卒の方や、

すでにいくらか社会経験を積んでいる方の中には、

海外で働くことを視野に入れている方もいらっしゃると思います。

海外で働くとなるとまず外資系企業を想像されるかもしれませんが、

海外進出をしようという日本企業は今後も増加し、

そのジャンルもさらに多岐に渡ると考えられます。

従って、世界で活躍したいと考えている方はその方法の1つとして、

訪問看護にも可能性があることを覚えておいて欲しいと思います。

また、このことはすでに訪問看護師として

活躍している方にも当てはまることです。

今後増える可能性のある外国人の訪問看護師の指導をしたり、

講師として海外へ行く機会があるなど、

活躍の場が国内外を問わず増える可能性は十分にあります。

そのため、訪問看護は将来の可能性がまだまだある仕事だという自覚を持って、

ご利用者様の看護活動に励んで欲しいと思います。

中国を含む世界各国の高齢化が進むことで、訪問看護の需要を感じています

日本では以前から社会の高齢化が注目されてきましたが、

現在は中国を始め世界的に高齢化が進んでいることをご存知でしょうか?

近年では日本の65歳以上の高齢化率は世界でも類を見ないほどの

上昇率といわれており、超高齢化社会になるといわれています。

また、国連の報告によると、21世紀の後半には先進国だけでなく、

途上国にも高齢化の波が押し寄せ始めるそうです。

WHO(世界保健機構)と国連は、高齢化についての定義を

以下のように定めています。

・65歳以上人口の割合が7%超 = 高齢化社会
・65歳以上人口の割合が14%超 = 高齢社会
・65歳以上人口の割合が21%超 = 超高齢化社会

この定義に則って考えると、2020年には日本の他に、イタリア、

ドイツが超高齢化社会に突入することになります。

さらに、マレーシアやインドネシア、フィリピンやインドやベトナムなどを

除くほぼすべての国々が高齢社会になる可能性があります。

日本国内では高齢化はどちらかというと、ややネガティブな響きがあるため、

世界的に高齢化の流れにあるというのは何やら悪いことのように

感じられるかもしれませんが、

実際のところは悪いことばかりではないと思います。

年を取ることは誰もが通る道であり、避けられないことです。

だからこそ、世界の高齢化とともにシニアビジネスの需要が拡大していき、

それに伴って誰もがよりよい老後を過ごせるように環境が

整っていく可能性もあると思います。

これから需要の拡大が考えられるものの1つに、

訪問看護も含まれると考えられます。

訪問看護は現在、日本国内での需要を主にみていますが、

これからの時代は世界的に需要が拡大していくと感じています。

看護の在り方が世界的に多様化し、通院することが

できない人も看護を受けることができ、

看護師に寄りそってもらえることで充実した日々を

送れる人が増える可能性があるというのはいいことだと思います。

そのような需要が拡大したとき、私達が世界の人に訪問看護とは

どういったことなのか、心掛ける必要があることとは何なのか、

ご利用者様に寄りそうとはどういったことなのかなどを

教える立場になる可能性は十分あります。

必要としてくれる方々が増えた時にその期待にきちんと応えられるように、

訪問看護ステーションおとのいは、今のうちに訪問看護のノウハウの蓄積と、

人材の育成などに力を入れたいと思います。

そのためにも、まずは訪問看護師として成長できるとともに、

働きやすい環境を整えていきたいと考えています。