納得のいくターミナルケアを受けるために、本人とご家族で話しておくこと

余命があとわずかだと知った時、できるだけ苦痛を緩和しながら

最後まで生活の質を保ち、納得のいく終末を迎えるようにしたいと

願う方は多くいらっしゃいます。

このような方のために用意されている選択肢の1つが、

終末期医療であるターミナルケアです。

ただし、ターミナルケアを受けたいと希望されるのであれば、

実際にケアを受ける前にご利用者様とご家族で話し合っておいた方が

良いことがあります。

それは主に、次の2つが挙げられます。

①どこでターミナルケアを受けるか
②延命措置はどうするのか

それぞれの話し合うポイントについて、もう少し詳しくご説明したいと思います。

①どこでターミナルケアを受けるか

どこで最期を迎えるのか決めておくことは、

ご本人だけでなくご家族も含めて納得のいく最期を迎えるために大切なことです。

後悔のない意思決定をするためにもご利用者様ご本人が

意思決定できる状態であれば、

「本人がどこでどのように過ごしたいのか」

といったことや、

「残りの時間を一緒に過ごすご家族が対応できるかどうか」などについて、

よく話し合っていただきたいと思います。

また、利用するサービスの種類や往診にかかる時間なども、

ご利用者様ご本人の希望に沿うように十分考えて決めることが重要となります。

②延命措置はどうするのか

ターミナルケアを受けるうえで決めておくべきこととして、今後の医療方針や、

延命措置を受けるかどうかも決めておくことが挙げられます。

寂しいことではありますが、ターミナルケアが必要となるということは、

ご自身で食事を摂ることが難しくなった場合や、

急変した場合も考える必要があるということです。

そのため、できることならご利用者様ご本人が意思決定できるうちに、

食事が難しくなった時に点滴や経管栄養を行うことや、

容態が急変した時の心肺蘇生措置の有無、

在宅中に緊急事態となった時の搬送などについても、

ご家族とよく相談して決めておくことが大切です。

もしも、ご本人を交えて諸々のことを決めておくことが難しい状況の場合は、

全てご家族が決定することになります。

この時に混乱することがないように、

あらかじめ意思決定の代表者を決めておいた方が良いと考えられます。

どんな場合にせよ訪問看護ステーションおとのいは、

ターミナルケアを受けるご本人とご家族の双方が納得できることが

最も重要だと考えているので、

どんなに些細なことでも話し合っていただきたいと思います。

転職前に知っておきたい病院勤務と訪問看護の働き方の違い②

「転職前に知っておきたい病院勤務と訪問看護の働き方の違い①」では、

勤務形態や給与の違いに、1日の仕事内容が異なることや、

訪問看護には看護活動を行わない待機時間が

あることなどについてご説明しました。

そこで今回は、病院などの施設勤務と訪問看護では大きな違いがある、

ご利用者様との距離についてお話したいと思います。

訪問看護はその名の通り、ご利用者様のご自宅に訪問して看護活動を行います。

そのため、ご利用者様に合わせたケアを行う他にもご家族の相談に

乗ることもあることから、ご利用者様やそのご家族との距離は、

病院などの施設に勤めている時よりも近くなりやすいといえます。

このことから、ご利用者様一人ひとりに向き合えることに

やりがいを感じる方もいれば、ご利用者様ご本人やご家族との関わりを

不安に思う方もいらっしゃいます。

たとえば、ご利用者様のそばにご家族の方がいらっしゃったとしても、

病棟であれば「今から○○しますので、

席を外していただいてもよろしいでしょうか。」

とお声がけしやすいと思いますが、在宅でケアしているとなると、

ご家族はそばにいるのが当然だと思う傾向が強いことから、

お声掛けしにくい状況もあると思います。

また、看護活動を行う場所がご利用者様のご自宅であることと、

ご利用者様だけでなくご家族との距離も近くなりやすいことから、

病院などの施設とは違う配慮をする必要があり、不慣れなことも多いと思います。

そのため、相手の生活習慣や考え方などを尊重したうえで

信頼関係を築いていくことにやりがいを見出すができれば良いのですが、

もし人と関わることが苦手であったり、

ケアをしている現場をご家族に見られるなどといったことが苦手な方は、

ご自身が訪問看護に適しているかどうか、よく検討する必要があると思います。

ただ、誰でも最初は試行錯誤してコツを掴んでいくものですし、

訪問看護の経験を積むうちに慣れていく方も多いので、

やってみたいという気持ちを大切にしてチャレンジするのも良いと思います。

また、訪問看護はご利用者様のケアだけでなく、

担当医とのスムーズな連携など求められることは多岐にわたるため、

ある程度豊富な経験を積んでいないと勤まらないのではないかと

不安を持っている方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、訪問看護は看護の知識をしっかり持っていれば勤めることは可能です。

それに、知識は必要に応じて身に付けていけば良いものであり、

訪問看護師として最も大切なことはご利用者様に誠実に向き合う姿勢だと、

訪問看護ステーションは考えています。

訪問看護は相手としっかり向き合うことによって学べることも多く、

やりがいのある仕事です。

少しでもやってみたいという気持ちをお持ちでしたら、

ぜひチャレンジしてみて欲しいと思います。

転職前に知っておきたい病院勤務と訪問看護の働き方の違い①

訪問看護の需要が以前より高まってきていることで、

医療施設や福祉施設などに勤めている看護師の中には、

訪問看護師への転職を検討する方も増えてきているようです。

そこで、病院に勤務した方が良いのか、

それとも訪問看護師として働く方が良いのか迷っている方のために、

転職する前に知っておきたい病院勤務と

訪問看護の働き方の違いについてご説明したいと思います。

まず1つ目は、勤務形態や給与の違いです。

これはどんな職業であっても、転職を考えるうえで

最も気になることの1つではないでしょうか?

病院などの施設勤務から訪問看護への転職を検討する理由として比較的多いのが、

給与面や子育てなど人間関係に関係するものだといわれています。

病院には託児所を併設しているところもありますが、

夜勤勤務などが必要なことから、

本当ならこどもと一緒にいてあげたい夜に出勤しなければいけない時もあります。

それに対して訪問看護ステーションは比較的働く時間帯を選ぶことができるため、

日中の仕事のみを行うことも可能になります。

全て望み通りになるとは限りませんが、

できる限り希望を聞いてくれる訪問看護ステーションは多いと考えられます。

また、給与に関しては地域や訪問看護ステーションによって違いはあるものの、

訪問看護ステーションの方が病院などの施設より給与が

少し高い傾向があるといわれています。

ただし、歩合制を導入している訪問看護ステーションも存在しているので、

転職を検討する際にはどのような給与体制を採用しているかなどの

情報収集が重要となります。

また、病院などの施設勤務と訪問看護では、

1日の仕事内容もかなり違いがあります。

病院などの施設では患者様がひっきりなしに訪れることで常に忙しく、

時間に追われている状態になることが多いと思います。

また、同僚や先輩、後輩などからヘルプを頼まれることもあるなどして、

休む暇もないと感じている方も多いのではないでしょうか?

訪問看護も忙しくはありますが個人の器量に左右される部分も多く、

指定された時間内で、自分のペースでご利用者様と

向き合ってケアしている訪問看護師が多くいらっしゃいます。

そのため、訪問看護師として転職した後にある程度の経験を積んだ方の中には、

ご利用者様と1対1で向き合うことができることと、

自分のペースで丁寧にケアができることにやりがいを

感じている方も多くいらっしゃいます。

ただ、1つ注意していただきたいのは、訪問看護には待機時間があることです。

訪問看護は病棟などのように大まかなスケジュールが決まっているわけではなく、

担当しているご利用者様をケアする以外の時間は事務所での書類作成などに

充てられており、その時間は待機時間として扱われることがあります。

訪問看護ステーションによっては待機時間を給料対象外としているところも

あるので、よく確認して、納得できるところで勤めていただきたいと思います。

ターミナルケアを受ける場所で異なるメリットとデメリット

ターミナルケアは病院だけでなく、介護施設や在宅でも行うことが可能です。

ただ、一言にターミナルケアといっても、

ケアを受ける場所によってメリットやデメリットが異なるため、

今回はこのことについてご説明したいと思います。

今後ターミナルケアを受けることを考えているご利用者様やご家族の方は、

ぜひ参考にして役立てていただきたいと思います。

■病院や介護施設でターミナルケアを受ける場合のメリットとデメリット

病院や介護施設でターミナルケアを受ける場合の一番のメリットは、

安心感だと考えられます。

病院や介護施設には医療に従事している方や介護スタッフが常にいるため、

万一ご利用者様に何かあったとしても、

すぐに対応してもらえる安心感があります。

また、在宅ケアのようにご家族が24時間体制で対応する必要がないため、

ケアの負担が少なくて済むとともに、

ご家族の安心感にもつながると考えられます。

一方でデメリットとして挙げられるのは、

常にご利用者様のそばにご家族がいることができないということです。

容態が急変した時は臨終が近い時も含めて、

自宅にいる時のようにご家族が常にそばにいることができないため、

ご利用者様ご本人やご家族が不安を抱えてしまう可能性があります。

また、ターミナルケアの治療内容によっては、

費用がかさんでしまう場合もあります。

■在宅でターミナルケアを受ける場合のメリットとデメリット

在宅でターミナルケアを受ける最大のメリットは、

最後まで住み慣れた自宅で大事な時間を過ごすことができることだと思います。

常にご家族と一緒にいられることもご利用者様の心理的な負担を軽減し、

安心して生活できることにつながります。

これはご家族のメリットにもつながることで、

病院や介護施設などでターミナルケアを行う場合は

頻繁に施設に行く必要がありますが、在宅であればその負担が軽減され、

常にご利用者様の様子を見ることができます。

ただし、メリットとデメリットは表裏一体である側面があり、

在宅でターミナルケアを行う場合は24時間体制で

ご利用者様をケアする必要があります。

また、容態に応じて往診が増えた場合は費用が膨らむ可能性が

あることに加えて、いつでもすぐに往診に来てもらえるとは限りません。

このことから、在宅ケアはご利用者様とご家族がいつでも

一緒にいられる代わりに、いつ容態が急変するか分からないリスクや、

ご利用者様のケアのためにご家族に負担が掛かる可能性が

あることなどを考慮する必要があります。