ターミナルケアとは終末期医療のことであり、
病気などによって残り僅かとなった時間をかけがえのないものとして
過ごしていただき、息を引き取る瞬間は
できる限り安らかであって欲しいという願いをサポートするケアです。
このターミナルケアによってどのようなケアを受けることができるのか、
おおまかにではありますがご説明したいと思います。
ターミナルケアをいつ開始するかに特に決まりはありませんが、
手は尽くしたもののこれ以上の回復は見込めない場合や、
治療を続けることは困難だと判断された場合などが、
このケアを始めるきっかけとなると思います。
病気などが要因ではなく、老衰や認知症などのように寝たきりの状態となり、
自分で食事をとるなどといった基本的な生活を送ることが困難となった場合も、
ターミナルケアを始めるきっかけとなることが多い印象があります。
一言でターミナルケアといっても、ケアの内容は
次に挙げるように大きく3つに分けることができます。
①身体の痛みなどを和らげる身体面のケア
末期がんなど、末期状態の病気は強い痛みを伴うことが多いといわれています。
この強い痛みのためにご利用者様は身体を動かすことはおろか、
眠ることもできないケースが多く、精神面にも悪影響を及ぼすため、
投薬などで痛みをできる限り和らげるケアを行います。
また、自分で食事や水分をとることが困難となった場合は、食事の補助や、
チューブを通して食べ物を送り込む処置などを行うこともあります。
その他にも、状況に応じて適切な身体面のケアを行います。
②ご利用者様の不安や恐怖などといった心理的負担を緩和する精神面のケア
余命が残り僅かとなったご利用者様は、不安や恐怖などを強く感じることと、
遺されるご家族に対する心配などによって
精神的に不安定になるケースがあります。
ターミナルケアは、ご利用者様のこのような感情に寄り添い、
安心して日々を過ごせるようにサポートします。
また、精神的なケアは訪問看護師によるサポートだけでなく、
ご家族が常に話しかけたりなどしてご利用者様に孤独感を
抱かせないように配慮していただくだけでも、効果はかなり異なります。
③ターミナルケアにかかる費用などの負担を軽くする社会面のケア
ターミナルケアを行う際に気掛かりなのは、費用の問題だと思います。
費用の問題のせいで、ご利用者様やご家族が納得のいくケアが
できないというのは望ましくないことです。
この問題を解決するために、医療ソーシャルワーカーなどに
サポートしてもらうことがあります。
また、遺産相続や遺品整理などのサポートも社会面のケアに含まれています。
ターミナルケアは、ご利用者様に残された時間を
かけがえのないものにするための非常に重要なケアです。
そのため、在宅のターミナルケアを希望されている方は、
1人もしくは家族内だけで悩まずに、訪問看護ステーションおとのいを
含めた利用しやすい訪問看護ステーションにご相談いただきたいと思います。