訪問看護が居宅だけ?「居宅しばり」の問題とは

まだまだ制度的にも始まってからそれほど時間が経っていないので、色々と不備や不足が指摘されている訪問看護ですが、今回はその中でも「居宅しばり」についてお話をしたいと思います。
訪問看護には法的な根拠があります。健康保険法の第88条で定義されており、そこには「その者の居宅において療養上の世話又は必要な診療の補助を行う」と書かれています。ここで注目したいのは、最初にある「その者の居宅において」という文言です。
この文言があるため、訪問看護の訪問先は利用者様が住んでいる場所に限定されています。ここでいう居宅というのは、老人ホームなど事実上の居宅スペースも含まれています。
ここで問題になるのが、利用者様の居宅以外は考えなくても良いのか?という部分です。訪問看護が本来持っている精神には、通院や入院ではなくその人が普段過ごしている場所で医療を提供することで安心感や利便性を得ることも含まれています。職場や学校など、その人が過ごす場所は必ずしも居宅だけとは限らず、一日のうち多くの時間を過ごす場所も対象にしないと本当の意味での訪問看護の目的が果たせない、というわけです。
こうした問題により、訪問看護を希望しているにも関わらず居宅以外で医療が受けられないということで、入院を余儀なくされる事例もあります。こうなってしまうと本末転倒なので、訪問看護は時代のニーズに合わせて適宜制度を見直しながら良いものにしていくことを期待します。

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